※ アメリカのソーシャル・セキュリティー(社会保障)に関する下記の情報は、テレフォンガイド 2026年度版/生活情報を元に作成しています。
ソーシャル・セキュリティーとは

ソーシャル・セキュリティー(SS-Social Security)は、アメリカ政府が運営している年金制度。主なベネフィットとして老齢給付(Retirement)、障害給付(Disability)、遺族給付(Survivors)などがある。
基本的には、米国内で就労して得た収入からソーシャル・セキュリティー税を、それぞれのベネフィットで定められた年数(クレジット)納めると、これらの社会保障を受けることができる。加入には、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(Social Security Number:SSN)を取得しなければならない。申請はオンライン、または最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィスで行うことができる。
ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)の取得
ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(Social Security Number:SSN)は、アメリカの社会保障局が発行する9桁の固有の番号である。SSNは一生涯、個人の識別IDとして使われる。納税手続き、住宅や公共料金(ユーティリティー)の契約、銀行口座やクレジットカードの開設など、多くの個人情報と結びついている。アメリカ市民以外では、合法的にアメリカ国内で働ける移民(学生のOPTやCPT、J-1の研修生なども含む)が取得可能。
SSNを取得できるのは、米国市民または合法的にアメリカ国内で働くことができる移民。学生のOPT(Optional Practical Training)やCPT(Curricular Practical Training)、J-1ビザの研修生なども含まれる。
ソーシャル・セキュリティー・ナンバーの新規取得
米国市民権を持たない者がSSNを新規で取得する場合、主に二つの方法がある。
移民局(USCIS)への申請と同時申請
移民局で就労許可証(I-765)または永住権(I-485)を申請する際に、SSNの申し込みも一緒に行う場合、SSNが自動的に交付される。
個別に申請する場合
上記の方法で申し込んでいない場合は、自分で申請する必要がある。まず、オンラインで申請し、その後、ビザ情報や労働許可などの必要書類を最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィス(社会保障局)に提出する。提出書類は、個人の滞在ステータスによって異なる。
ソーシャル・セキュリティー加入を証明するカードの交付は無料。カードを紛失した場合、必要書類を提出すれば再発行が可能である。ソーシャル・セキュリティー・オフィスの総合インフォメーションは(TEL : 1-800-772-1213、www.ssa.gov)。最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィスの場所を調べたい時は、(https://secure.ssa.gov/ICON/main.jsp)にアクセスし、、ZIPコード(郵便番号)を入力すると表示される。
SSNの取得資格や必要書類は、個々のビザや滞在ステータスによって詳細が異なる。必ずソーシャル・セキュリティー・オフィスのウェブサイト、または最寄りのSSNオフィスで最新かつ正確な情報を確認する必要がある
アメリカの年金を受け取るには
1. 年金受給の基本要件
アメリカの年金を受給するためには、基本的にこの年金制度に10年間(40クレジット)加入する必要がある。
2. 日米社会保障協定による特例
2005年に日米社会保障協定が発効されたことにより、日本からの移住・駐在者など日米両国の年金加入資格を持つ人が抱えていた「年金掛け捨て問題 (日米両国の年金加入資格を持っている人が、一方の国での在留期間中にその国の年金制度に加入し、他方の国での年金制度に加入しないことで年金受給に必要となる加入期間が不足し、アメリカまたは日本の年金を受給できない問題)と、「二重加入問題」(加入期間不足にならないために日米両国での年金制度に加入しなければならない問題)が解消された。
この制度を利用することで、アメリカの年金加入期間が1年6カ月(6クレジット)以上ある人は、日米両国の年金加入期間が通算して(足して)10年以上になると、アメリカの年金を受給できるようになる。
3. 年金を満額で受給できる年齢
年金を満額で受給できる年齢は、生年によって異なり、1960年以降に生まれた人は67歳とされている。詳細は、社会保障局のウェブサイトを参照。
年金受給の申請はオンライン、または最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィスで行う。
駐在員のソーシャル・セキュリティー税の免除
アメリカでの滞在期間が5年以内と決まっている日本から派遣される駐在員などの場合、引き続き日本の社会保険制度に加入していれば、ソーシャル・セキュリティー税が免除される。
ただし、派遣直前に日本で6カ月以上継続して勤務していることが必要。ソーシャル・セキュリティー税の免除を受けるには、一時的滞在であることを証明し、日本の社会保険事務所で「適用証明書」を発行してもらう。申請により証明期間の延長も可能。日本年金機構のウェブサイト(www.nenkin.go.jp)で詳細を確認すること。
アメリカの医療保険制度
アメリカと日本とでは公的医療保険制度が大きく異なる。アメリカの主な公的医療保険は、メディケア(Medicare)とメディケイド(Medicaid)の2つ。
メディケア(Medicare)
メディケア(Medicare) は、65歳以上の高齢者、または65歳未満で一定の障害を持つ人のみを保障対象とする。運営資金には、保険料のほか、給料から控除される連邦所得税やソーシャル・セキュリティー税の一部が充てられている。
メディケアには、Part A(Hospital Insurance:入院費用などが対象)、Part B(Medical Insurance:外来診察、医療器具・機器、予防サービスなどの費用が対象)、Part C(Medicare Advantage:Part AとPart Bの両方が対象)、Part D(MedicarePrescription Drug Coverage: 処方薬などの費用が対象)の4つのパートがある。
メディケア(Medicare)
メディケア(Medicare) は、低所得者のみを保障対象とする。
公的医療保険の保障対象外の人は民間の医療保険に加入する。保険によって、給付対象となる病気や怪我の種類、医療機関の指定、加入者負担の割合、控除額など、内容は千差万別であり、自分が加入する保険の内容をよく知っておく必要がある。医療保険、歯科保険、眼科保険は、会社や学校を通してグループ保険に加入することが多く、主なタイプは下記の通り。
Health Maintenance Organization(HMO)
プランにもよるが、一般的にはMonthly Premium(月額保険掛金)は安いものの、柔軟性に欠ける。保険適用はHMOネットワーク内に限られ、ネットワーク外の医師や医療機関に、保険は適用されない。また、緊急時などを除いては、ネットワーク内で指定医(PCP:Primary Care Physician)を決めなければならず、他の専門医に診てもらう場合には指定医による紹介が必要である。
Preferred Provider Organization(PPO)
一般的にMonthly Premiumは高いが、フレキシブル。HMOと違って指定医を決める必要はなく、基本的にPPOネットワークに加盟している医師や医療機関なら専門医を含めて自由に選ぶことができる。また、ネットワーク外の医師や医療機関でも自己負担は増えるが保険が適用されることが一般的である。
Point of Service(POS)
HMOとPPOを合わせたようなプラン。HMOのようにネットワーク内のPCPを決めなければならないが、PPOのようにネットワーク外の医師や医療機関でも利用することができる。POSネットワーク外のサービスを利用する場合、ネットワーク内のサービスを利用するよりも自己負担額は通常増えるが、PCPによって紹介されたネットワーク外のサービスを利用すると保険の給付額は高くなる。
High Deductible Health Plan(HDHP)
一般的にMonthly Premiumは安いが、Deductible(保険が適用開始されるまでの自己負担額)が高い。Monthly Premiumが安いので、最近は加入する会社が増えている。税制優遇のある医療用貯蓄口座のHealth Saving Account (HSA)を利用することができる。
Indemnity Insurance Plan
基本的にどの医師や医療機関でも診察を受けることができるが、完全な補償(Indemnity)から、管理型補償までいろいろなタイプがある。前述のプランに比べて保険料は高額。
ACA(Affordable Care Act)により、一部の例外を除いた全ての米国在住者に医療保険の加入が義務付けられている。会社や学校でグループ保険に加入しない個人、家族、小企業のために、州が運営する保険のマーケットプレイス(交換所)が用意されている。
ワシントン州ではワシントン・ヘルス・ベネフィット・エクスチェンジ(Washington Health Benefit Exchange、www.wahbexchange.org)が、オレゴン州ではオレゴン・ヘルス・インシュランス・マーケットプレイス(Oregon Health Insurance Marketplace、 https://healthcare.oregon.gov/marketplace/Pages/index.aspx)が利用できる。
なお、州によっては健康保険の未加入者に対しペナルティが課せられるが、2025年11月時点で、ワシントン州とオレゴン州はペナルティーを設けていない。
アメリカの医療保険に関するライトハウスの特集記事も合わせてお読みください。
「アメリカの保険、プロがズバリ疑問にお答え!〜医療保険、メディケア/メディケイド、海外旅行保険」
アメリカの失業保険(UI)
一部の州を除き、アメリカでの失業保険(UI:Unemployment Insurance)は、事業主(雇用主)が100%州に支払う。従業員が直接保険料を支払うことは通常ない。州によって規定は異なるが、原則として、自己都合退職(自主退職)は失業保険給付の対象外となる。
ワシントン州ではEmployment Security Department, Washington Stateが管轄。失業した場合、電話(TEL : 1-800-318-6022、www.esd.wa.gov)から申し込む。許可が出ると基本的に最長26週間、銀行振込、またはデビットカード(Debit Card)で支給される。
オレゴン州は、State of Oregon Employment Departmentが管轄。ウェブサイトから申し込む。最長で52週間支給されるが上限額がある。
支給額は、必要事項を入力すると計算できるページが各ウェブサイトに用意されている。支給金にも課税されるので、確定申告を忘れずに(「税金と確定申告」を参照)。
監修:浜崎日菜子/Leverages U.S. Inc.
アメリカでの貧困や障害のサポート
ワシントン州では Economic Service Administration の Community Services Officeが貧困家庭や障害者へのサポートを管轄し、高齢者や障害者支援(Aged, Blind, or Disabled (ABD) Program)、貧困家庭の一時的財政支援(Temporary Assistance for Needy Families(TANF))などを行なう。貧困者の食料支援である「Basic Food」はアメリカ市民や一定の資格を満たす居住者が主な対象。ワシントン州に合法的に滞在している移民は、移民対象の食料支援プログラム「State Food Assistance Program(FAP)」の申請ができる。Basic FoodやFAPはオンラインで申し込みが可能(https://www.washingtonconnection.org/home/)。
オレゴン州での貧困家庭や障害者のサポートは、Oregon Department of Human Servicesが主に管轄している。一定の条件を満たす高齢者や障害者のサポートや貧困家庭の一時的な財政支援(Temporary Assistance for Needy Families(TANF))などを行なっている。
オレゴン州の食糧支援のSNAPは、主にアメリカ市民や一定の資格を満たす居住者が対象。それ以外の居住者の食糧支援はOregon Food Bankなどが行い、211infoでも検索できる。
ドメスティック・バイオレンスの相談
全米でドメスティックバイオレンス(DV)被害者をサポートする「National Domestic Violence Hotline」の24時間ホットラインは1-800-799-7233。チャットや携帯電話のテキスト(88788)からも相談ができる。
ワシントン州のDV被害者支援は The Washington State Domestic ViolenceInformation and Referralや WSCADVで確認を。また、シアトルのAPI Chayaは、DV、性暴力の被害者や貧困で苦しむ移民の支援を行う。相談者は日本語でのサポートや、通訳を付けられる。ホットラインは1-877-922-4292で、月~金の午前10時から午後4時まで。
オレゴン州のDV被害者の支援はOregon Coalitionで確認を。また、また、ポートランドを中心にDV被害女性をサポートしているCall to Safetyでは24時間ホットライン1-888-235-5333を運営。電話口で依頼すれば通訳を付けられる。ウェブサイトではチャットでの相談も可。携帯電話のテキストでの相談は503-213-9293で、月~金。
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