
毎年白熱するアメリカのNFL(National Football League、ナショナル・フットボール・リーグ)ですが、「ルールがよく分からない」「なんでこんなに熱狂しているの?」と思う人も少なくないはずです。そんな超初心者のためのNFL講座として、社会人アメフトの選手経験もあるライトハウス セールスディレクターの小山眞平が、アメフトの基本ルールやNFLの試合の見方をわかりやすく解説します。
NFL(National Football League)とは?
アメリカのプロのアメフトリーグ、NFL(National Football League、ナショナル・フットボール・リーグ)は全部で32チーム。大きくAFC(American Football Conference、アメリカン・フットボール・カンファレンス)とNFC(National Football Conference、ナショナル・フットボール・カンファレンス)の2カンファレンスに分けられます。各カンファレンスはさらに東西南北4つのディビジョン(地区)に分かれています。
AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のチーム
アメリカン・フットボール・カンファレンスに所属する球団名とチームのロゴは以下の通りです。
North/北地区
![]() Baltimore Ravens (バルチモア・レイブンズ) | ![]() Cincinnati Bengals (シンシナティ・ベンガルズ) | |
![]() Cleveland Browns (クリーブランド・ブラウンズ) | ![]() Pittsburgh Steelers (ピッツバーグ・スティーラーズ) |
East/東地区
![]() Buffalo Bills (バッファロー・ビルズ) | ![]() Miami Dolphins (マイアミ・ドルフィンズ) | |
![]() New England Patriots (ニューイングランド・パトリオッツ) | ![]() New York Jets (ニューヨーク・ジェッツ) |
South/南地区
![]() Houston Texans (ヒューストン・テキサンズ) | ![]() Indianapolis Colts (インディアナポリス・コルツ) | |
![]() Jacksonville Jaguars (ジャクソンビル・ジャガーズ) | ![]() Tennessee Titans (テネシー・タイタンズ) |
West/西地区
![]() Denver Broncos (デンバー・ブロンコス) | ![]() Kansas City Chiefs (カンザスシティ・チーフス) | |
![]() Las Vegas Raiders (ラスベガス・レイダース) | ![]() Los Angeles Chargers (ロサンゼルス・チャージャーズ) |
NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のチーム
ナショナル・フットボール・カンファレンスに所属する球団名とチームのロゴは以下の通りです。
North/北地区
![]() Chicago Bears (シカゴ・ベアーズ) | ![]() Detroit Lions (デトロイト・ライオンズ) | |
![]() Green Bay Packers (グリーンベイ・パッカーズ) | ![]() Minnesota Vikings (ミネソタ・バイキングス) |
East/東地区
![]() Dallas Cowboys (ダラス・カウボーイズ) | ![]() New York Giants (ニューヨーク・ジャイアンツ) | |
![]() Philadelphia Eagles (フィラデルフィア・イーグルス) | ![]() Washington Commanders (ワシントン・コマンダーズ) |
South/南地区
![]() Atlanta Falcons (アトランタ・ファルコンズ) | ![]() Carolina Panthers (キャロライナ・パンサーズ) | |
![]() New Orleans Saints (ニューオリンズ・セインツ) | ![]() Tampa Bay Buccaneers (タンパベイ・バッカニアーズ) |
West/西地区
![]() Arizona Cardinals (アリゾナ・カージナルス) | ![]() Los Angeles Rams (ロサンゼルス・ラムズ) | |
![]() San Francisco 49ers (サンフランシスコ・フォーティナイナーズ) | ![]() Seattle Seahawks (シアトル・シーホークス) |
NFLのスケジュール
- 8月:プレシーズン
公式記録にならない試合を3回行います。新人や新しい戦術を試す場で、ここでの活躍によってレギュラーシーズンの試合に登録できるロースターが決まります。 - 9~1月:レギュラーシーズン
18週間に17試合。同ディビジョン(例:NFC West、AFC West)内での対戦が最も多く行われます。ディビジョン優勝すればプレーオフへ。またはカンファレンス内で勝率上位3位(ディビジョン優勝チームを除く)に入ればプレーオフへ進出できます。 - 1月:プレーオフ
両カンファレンスから7チーム、計14チームがトーナメント方式で試合を行います。 - 2月上旬:スーパーボウル
プレーオフで最後に残った2チームが試合を行い、その年のNFL王者を決めます。
マスターしよう!アメフトの基本ルール
「ルールが分かりにくい」と言われるアメフト。極力シンプルに、細かいことを省いて、初心者がまず覚えるべきルールをご紹介します。
アメフトの基本
アメフトは陣取り合戦。ボールの位置が陣地の境目です。
- フィールド上は11人対11人
- 試合は4クオーター制
- オフェンスは陣地を広げながらタッチダウン(*1)を目指します
- ディフェンスはタッチダウンされないように陣地を押し戻し、ダウン(*2)の奪還を目指します
*1)タッチダウン:フィールドのエンドゾーン(両端にある)にボールを入れること
*2)ダウン(Down):オフェンスを行う権利。日本語だと攻撃権とも呼ぶ。
フィールドの説明


▲ 【図①】オフェンスチームのボール位置は残り20ヤード。つまり、あと20ヤード進めれば得点

▲ 【図②】オフェンスチームのボール位置は16ヤード。エンドゾーンまであと84ヤードで、かなり不利な状況です
オフェンスとは?
ボールを持って前に進むか得点獲得を目指します。
得点方法
- Field Goal (+3):エンドゾーンのゴールポスト(黄色いポール)にボールが入れば3点が入ります。
- Touch Down (+6):エンドゾーンにボールが入れば6点が入ります。また、タッチダウンに成功すると追加得点のチャンスが発生。チャンスは以下の2種類から選べます。
- Extra Point (+1):タッチダウン後、エンドゾーン15ヤード手前からボールを蹴り(Field Goal)、ゴールポストに入れば1点。
- 2-point Conversion (+2):タッチダウン後、エンドゾーン2ヤード手前からもう1プレイ。タッチダウンが決まれば2点。

タッチダウンができればほぼ7点か8点が入ると考えてOK。タッチダウンで6点しか取れないと、チームの調子が悪いと考えられます。
ダウン(攻撃権)
パスをしたり走ったりしながら4回のダウン(攻撃権)で10ヤード以上進むことを目指します。10ヤード以上進めば、再度4回のダウンを得られ、ダウンを更新し続けながらタッチダウンを目指します。10ヤード以上進めなければ攻撃権の交代です。4回の攻撃権はそれぞれ、1st Down、 2nd Down、3rd Down、4th Downと呼ばれます。
4th Down
4th Downはダウン(攻撃権)を奪還されるか否かの境目となる重要な局面。ここで10ヤード以上進んでさらに4回の攻撃権を獲得するか、エンドゾーンで得点を狙えればいいのですが、ボール位置によっては、前に進むだけでなく、次へ向けた戦略として、以下のようなプレイを行うことになります。なお、4th Down で攻守交代になった場合、プレイの終わった位置から次の1st Downが始まります。
- Punt:自陣のエンドゾーン近くで4th Downを迎えた場合(例:上の「フィールドの説明」・図②)、ここで攻守交代になると、一気にピンチになってしまいます。そこでボールを相手チームのエンドゾーンに向かって大きく蹴り飛ばす作戦で、これを「パント」と呼びます。パントをするとダウンを失い、攻守交代になってしまいますが、少なくとも自陣のエンドゾーンからボールが離れるため、得点される可能性は低くなります。つまり、この後のディフェンスをできるだけ好位置から始めるために行う策です。
- Field Goal:敵陣のエンドゾーンが近い場合(例:上の「フィールドの説明」・図①)、ゴールポスト(エンドゾーンに立つ黄色いポール)を目指してキックします。ゴールポストに入れば3点獲得。攻守交代となります。
- Gamble:文字通り、次の攻撃を狙っての一か八かの賭けプレイ。そのまま攻撃し続けることを指します。試合終盤で負けているときなど、最後の得点の可能性に賭けて行われる場合があります。

ディフェンスとは?
ディフェンスは以下の方法でオフェンスの前進やタッチダウンを阻止します。
- Tackle:ボールを持った選手を地面に倒すか、フィールド外に押し出すこと。タックルした地点までボールは進み、そこから再度プレイ。
- Pass Break Up:オフェンスのパスを叩く、ブロックするなどでボールを落とす。オフェンスはパスを投げた場所から再度プレイ。
- Fumble:オフェンスがうっかり落としたボールをディフェンスが拾えばその途端に攻守交代。ディフェンスはそのままボールを持ってタッチダウンを狙ってよい。
- Interception:オフェンスのパスをキャッチしたらその途端に攻守交代。そのまま走ってタッチダウンを狙ってよい。
- Safety:ディフェンスがオフェンスをエンドゾーンまで完全に押し返すこと。+2点。しかし滅多に起きません。

タックルかパスブレイクアップ後、1-3 Downの場合そこから攻撃が再開。4thなら攻守交代です。
NFLのチーム構成
1チームに所属(登録選手)するのは53人。試合のベンチに入れるのは48人。フィールドに立てるのは11人。
オフェンスは攻撃のみ、ディフェンスは守備のみを行うので、基本的に攻守のたびに選手は完全に入れ替わります。選手交代は無制限で、戦術や状況に合わせて48人をうまく配置するのがヘッドコーチの腕の見せどころ。それゆえ、1st Downと2nd Downで選手が全く違うことも起こります。
オフェンス/ディフェンスのポジション

ニュートラルゾーン:オフェンスとディフェンスの間のスペース。ボールの長さ分の幅で、ヤードラインに並行。
スクリメージライン:攻守の選手が向き合ってできる仮想線。ボールがスナップされるまで、超えてはいけない。
オフェンス 〜 ポシションの説明
上の図に記載しているオフェンスのポジションを簡単に説明します。
| オフェンスライン(LT、LG、C、RG、RT) | QBの前に立つ盾のような存在 |
|---|---|
| レシーバー(TE、WR) | パスキャッチがメイン。TEは相手ブロックも行う |
| クオーターバック(QB) | 攻撃の司令塔 |
| ランニングバック(TB、FB) | 走ってボールを運ぶ |
ディフェンス 〜 ポシションの説明
上の図に記載しているディフェンスのポジションを簡単に説明します。
| ディフェンスライン(DT、DE) | オフェンスを突破してQBやRB(ランニングバック)を襲う |
|---|---|
| ラインバッカー(LB) | ディフェンスの司令塔。戦術や立つ場所によってILB、OLBなどの呼び方もある |
| セカンダリー(CB、SS、FS) | 最終ラインを守る。ディフェンスバックとも呼ぶ |

QBがチームの最重要ポジションで、QB以外ではQBにまつわるポジションの選手は価値がある、言い方を変えれば年俸が高くなる傾向にあります。例えばQBを潰すポジションのDEや、右利きのQBの死角に立つLT、またレシーバーなども比較的契約金が高い傾向にあります。
試合時間
試合はコイントスで開始。コインの裏表でキックか陣地(先攻か後攻)を選びます。試合は1クオーター15分の4クオーター制。しかし、頻繁に時計が止まるため、実際の試合時間は2~3時間です。

| 試合時間 | 時間は60分。ハーフタイムを含むトータル時間は、大体2時間半から3時間 |
|---|---|
| 試合で時計が止まる時 | ・パスが不成立 ・得点が入る ・反則の発生 ・ボールがサイドラインから出る |
| キックオフ | 前半後半のスタート時と、得点が入った後はキックオフが行われます。オフェンスが敵陣にボールを蹴り飛ばし、オフェンスはそのボールをキャッチして前進。ディフェンスはタックルなどでオフェンスの攻撃を止め、その攻撃が止まった地点から、試合がスタートします。 |
| 反則 | いくつかありますが、基本的にペナルティーとして陣地が5~15ヤード後退します。 |
スコアボード


キックオフでエンドゾーンまで行ってタッチダウンができたら「リターン・タッチダウン」という超ビッグプレイ。年に数回起きます。
NFLのオフィシャルチケットパートナーはTicket Master。例年、5月半ばに次のシーズンのチケットの販売を開始します。対戦カードにもよりますがレギュラーシーズンのチケットは80~300ドルが相場です。
シーズン終了時にNFLの現役選手が「あの選手がすごい!」と思った人に投票するランキング。つまりここで上位に入るというのは、NFL選手に認められた真のプレイヤーということなのです。毎年公開される公式YouTube動画では投票した選手のコメントと共にランキングを紹介。気になる選手をぜひチェックしてみてください。
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毎年2月末から3月頃に行われるドラフト候補生のテストをコンバインといいます。参加できるのはNFLから招待された選手約300人だけ。40ヤード走、垂直跳び、ベンチプレス(225ポンドの上げ下げの回数)などを計測。その模様はテレビで放映され、全米のスポーツファンが注目しています。
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アメフト・ナビゲーター

ライトハウス セールスディレクター 小山眞平
小学生の頃からNFLを見始め、アメリカの中高と日本の大学でアメフトをプレイ。大学卒業後は日本の社会人アメフト「Xリーグ」の名古屋サイクロンズに入団し、2012~14年まで所属。ポジションはDE(ディフェンスエンド)。2025年7月より現職。
このページの情報は、ライトハウス誌2025年10月号を基にしています。西海岸のNFLチームや注目の選手などの追加情報は、以下のリンクよりライトハウス電子版でお読みいただけます。
ライトハウス特集 『アメフト未履修者のための 今年こそ理解したい!NFL超入門講座』
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